エンドロール

名古屋の日本ガイシホールで、米津玄師さんのライブツアーに参加してきました。
前回は2020年、コロナが大流行する直前に福井で参加して以来です。

福井での2月上旬はまだ大流行というほどの騒ぎではなかったので開催されましたが、その後月末のツアーからは全て中止になってしまいました。

米津さんもその事をお話していましたが、それまでの日常が突然なくなって。声を出す事も許されない時代になってしまいました・・・
それでも、それぞれの楽しみ方で楽しんで、と言ってもらえたので声は出しませんでしたが、拳を振り上げて楽しんできました。
米津さんの歌、私的にベスト3があるのですが、その3曲の時は涙を流しながら聴き入ってしまいました。イヤホン越しでは感じられない生の音は涙を誘います。

もうひとつ、今日気になった事は、改築している築400年ほどのお寺の屋根裏から大工さんの道具が出てきたというニュース

昔は、大工の棟梁が「自分の仕事だ!」という感じで見えないところに名前を書くという話を聞いた事があったのですが、棟梁以外の大工さんは自分の大事な道具をそっと現場に残していたそうです。
自分の仕事に誇りを持ち、後世に印を残す・・・そんなニュースを見ながら向かっていた名古屋。

名古屋では、米津さんのライブの最後にエンドロールが流れ、スタッフさんのお名前が流れていました。
色々な想いを巡らせながら、エンドロールに関係した、以前会社員時代にやっていた仕事について思い出していました。

最後の会社員時代、設計やインテリアコーディネートをしながら、広報という仕事もしていました。
ホームページの管理だったり、チラシや広告を考えて入れたりするのですが、家づくりをされたお客様へのセレモニーの準備や、工事中の写真をまとめてDVDにしてお渡しする、という業務もありました。
私はこの業務が結構好きで、更地の状態から家が完成するまで、たくさんの職人さんが施主様ご家族のために工事をしてくれた事を伝えたくて、人が写っている画像を中心にムービーを作っていました。
その最後に、会社の社員全員と職人さんたちの顔写真(これは親方が多かった)と名前を入れたエンドロールを入れていました。
最初は「なんかかっこいいから」という理由で始めたエンドロールなのですが、ある時に施主様から「こんなにたくさんの人たちが我が家をつくるのに携わってくれたんですね」と涙を流されているのを見て、より「人」にフォーカスを当てたものを作っていくようになりました。
完成したムービーを施主様と一緒に見ると、涙されている方もたくさんいらっしゃって、その横で私もうれし涙を流していた...という素敵な想い出があります。

今日の色々な出来事から、この「エンドロールが流れる仕事」って良いなぁ!と思ったのでした。
私の個人的なお仕事の時は、エンドロールを作ろう!と決意した、名古屋での滞在でした。

この記事を書いた人

シオムラアキ